Shopifyのカゴ落ち対策は4ステップ|離脱の確認からチェックアウト設定、カゴ落ちメールの見直しまで

「カートには入るのに、注文が増えない」。カゴ落ちはどのストアでも起きます。EC・UXの調査機関Baymard Instituteが50件の調査をまとめた平均では、オンラインショッピングのカゴ落ち率は70.22%とされています。

本記事の主キーワードはShopify カゴ落ち対策です。先に「どこで・なぜ落ちているか」を確かめないと、届かないメールを設定したまま安心してしまうことがあります。管理画面で確認できることを中心に、4つのステップで整理します。機能や表示名は2026年10月時点のShopifyヘルプセンターの記載にもとづくため、作業前に自社の管理画面で確認してください。

この記事でできること

  • Shopifyで「カゴ落ち」と呼ばれる離脱の種類と、管理画面での確認方法がわかる
  • 離脱理由のうち、ストア側で直せるものから手を付けられる
  • チェックアウト離脱メールが「届いていない」原因を点検できる
  • カゴ落ちメールの効果を、売上だけでなく粗利で判断できる

前提:Shopifyの「カゴ落ち」は3種類ある

カゴ落ちは、Shopifyでは離れた場所によって扱いが分かれます。

離れた場所Shopifyでの扱い
チェックアウト(購入手続き)の途中チェックアウト離脱。メールアドレスを入力してから10分以上未完了のチェックアウトが対象
カートに入れたあと、チェックアウトに進む前カゴ落ち。Shopify Messagingの別のオートメーションで呼び戻す
商品ページを見ただけ閲覧離脱。これも別のオートメーションで扱う

ポイントは、メールアドレスを入力する前に離れた人は「チェックアウト離脱」として記録されないことです。管理画面に出ている件数は、カゴ落ち全体のうち、チェックアウトでメールアドレスまで入力した人の分だけだと考えてください。

ステップ1:管理画面で「どこで落ちているか」を見る

管理画面の「注文管理」から「チェックアウト離脱」を開くと、離脱したチェックアウトの一覧が出ます。自動メールを設定していれば、「メールのステータス」列で送信状況を、「リカバリー状況」で購入に至ったかどうかを確認できます。

各チェックアウト離脱の「タイムライン」には決済イベントが記録され、カードの拒否、3Dセキュア認証の失敗、在庫切れ、使えなくなったディスカウントコードなどの理由が残ります。決済の失敗が多いなら、直すべきはメールより決済まわりです。

読み違えを防ぐために、次の3点を押さえておきます。

  • 3か月を過ぎたチェックアウト離脱は自動で削除される。傾向を追うなら、月に1回程度エクスポートして手元に残しておく
  • ボットによる離脱が混ざることがある。カードテスティングなどの疑いがあるものは一部除外されますが、すべてではありません
  • Shopifyペイメントが高リスクとしてブロックした試行は「ブロック済み」ビューに分かれて表示される

ステップ2:離脱理由のうち「直せるもの」から手を付ける

Baymard Instituteが米国のオンライン購入者を対象に行った調査では、カゴ落ちの経験理由として最も多かったのは「見ていただけ・まだ買う気がなかった」(42%)でした。これはサイト側の工夫ではほとんど減らせません。この層を除いた理由の上位は次のとおりです(複数回答)。

  • 送料・税・手数料など追加費用が高すぎた:40%
  • 配送が遅すぎた:20%
  • カード情報を預けるほどサイトを信用できなかった:19%
  • アカウント作成を求められた:18%
  • 手続きが長い・複雑だった:17%
  • 注文総額を事前に確認・計算できなかった:12%

米国の調査なので日本にそのまま当てはまるとは限りませんが、点検の順番を決める手がかりになります。

送料と総額を、チェックアウトの前に見せる

手続きの最後で初めて送料が出てくると、「思っていたより高い」が起きやすくなります。商品ページやカートで、送料の目安や送料無料になる金額、発送までの目安日数を案内しておきます。表示方法はテーマによって異なります。

ログイン必須と、不要な入力項目を外す

「設定」の「チェックアウト」では、一部の項目を必須・任意・含めないに変えられます。確認したいのは次の点です。

  • チェックアウト前のアカウントログイン必須:有効にしていると、カートにApple Payなどの簡単なチェックアウトの選択肢が表示されなくなります。会員限定販売などの理由がなければ、外せないか検討します
  • 会社名:法人向けに販売していないなら「含めない」で項目ごと消せます
  • 住所2行目(建物名・部屋番号など):「必須」または「含めない」にすると、住まいによっては手続きを進められない人が出ると案内されています。特別な理由がなければ「任意」のままにします

ステップ3:カゴ落ちメールが「届く設定」になっているか点検する

チェックアウト離脱メールは、いま旧来の設定(決済未完了の通知メール)と、Shopify Messagingアプリの新しいオートメーションが並んでいます。新しいオートメーションへの切り替えは元に戻せないため、宛先と送信タイミングを決めてから切り替えます。メールが出ていないことが起きやすいのは次のケースです。

  • 新しいオートメーションの宛先が初期設定のまま:初期状態では、メールマーケティングを購読しているお客様にだけ送られます。過去に購入がなく、マーケティングにも登録していない人には送られません。新規のお客様にも送るなら、メールの「宛先:」を「すべてのお客様」に変更します。宛先を広げる前に、文面がリカバリーの案内として適切か、自社の配信方針とあわせて確認してください
  • 連絡方法が「電話番号またはメール」になっている:お客様が電話番号を選んで入力した場合、メールは送れません。新しいストアの初期値は「メール」です
  • 送信前に購入が完了した、商品が在庫切れで購入できない:いずれもメールは送られません。旧来の設定では、ストアがお客様の住所への発送に対応していない場合も送られません
  • オンラインストア以外での離脱:チェックアウト離脱メールの対象は「オンラインストア」と「購入ボタン」の販売チャネルだけで、POSや外部の販売チャネルでの離脱には送られません

送られなかった理由は、一覧のツールチップで確認できます。新しいオートメーションの待機時間は初期値が10時間で、Shopify Flowでワークフローを編集すると変えられます。なお、チェックアウト離脱オートメーションのメールは常に無料で、Shopify Messagingの月10,000通の無料枠にも数えられません(カゴ落ち・閲覧離脱のオートメーションは無料枠に数えられます)。

ステップ4:効果は「回収した売上」ではなく粗利で見る

カゴ落ちメールの効果は、Growthセクションにある「Shopifyによるチェックアウト離脱メールのレポート」で確認できます。メールから生まれたセッション数、完了した注文数、コンバージョン率、総売上などが表示されます。

ここで気をつけたいのが割引です。新しいオートメーションではメールにディスカウントを追加でき、Shopifyのヘルプでも完了を促す方法として紹介されています。ただし、もともと割引なしで買うつもりだった人にも割引が付くため、回収した売上が増えても、1注文あたりの粗利は減ります。割引を付けるかどうか、付けるなら何%までにするかは、送料や決済手数料まで含めた粗利から決めるのが安全です。粗利の計算の仕方はShopifyのROAS、何%なら黒字?粗利から決める損益分岐ROASと広告判断の4ステップで整理しています。

見直しは一度に全部やらず、1つずつ変えて件数とリカバリー状況を比べると、何が効いたのかが分かります。

広告経由のカゴ落ちを、粗利まで含めて追いたいなら

広告で集めたお客様のカゴ落ちが多い場合、回収した注文が広告費と割引を引いても黒字かまで見る必要があります。複数モールで売っていると、この集計を続けるのは大変です。株式会社MoreChoiceが提供するEC Choice AIは、Shopify・Amazon・楽天市場などの売上と広告費をまとめ、商品ごとの広告後粗利を出すツールです。

まとめ

  • Shopifyのチェックアウト離脱は、メールアドレスを入力してから10分以上未完了のものだけ。管理画面の件数はカゴ落ち全体の一部
  • まず「チェックアウト離脱」の一覧とタイムラインで、どこで・なぜ落ちているかを見る(3か月で自動削除)
  • 送料・総額の事前表示、ログイン必須や不要な入力項目の見直しなど、直せる理由から手を付ける
  • 新しいオートメーションの宛先、連絡方法の設定など、メールが届かない原因を点検する
  • 割引付きの呼び戻しは、回収した売上ではなく粗利で判断する

チェックアウトまわりの設定やテーマの改修、カゴ落ちの原因調査からまとめて相談したい場合は、株式会社MoreChoiceへのお問い合わせからご相談ください。テーマ改修の進め方はShopifyテーマカスタマイズ、コードを触る前に決める4つのチェックポイント、サイト全体を見直すかどうかの判断はECサイトリニューアル、「改善」で足りるか「作り直し」かの判断チェックリストでも整理しています。

参考資料

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